蕎麦コラム

~そばと薬味の栄養~

健康ブームの今日、食物の栄養については皆様かなり詳しいと思いますが、そばと出石そばにつく薬味について簡単にまとめてみました。ただ美味しいだけじゃない、薬味との絶妙なバランスを知っていただくことが出来れば、うれしく思います。

蕎麦(そば)の花

日本のそばは、古くから常食とされてきた五穀(米、麦、豆、粟、黍(きび))以外の雑穀として栽培されてきました。「蕎麦」と書きますが麦の種類ではなく、また麺類の多くが属する禾本科(かほんか)でもなく、タデ科の1年草です。
また、そばは土地を選ばないといわれます。冷涼なやせた土壌でも育つと語り継がれてきました。加えて、昔から平地よりも山の斜面・傾斜地のような水はけの良い土地、多湿でない土壌、そして昼夜の温度差が激しい地域が、そば栽培に適しているとされてきました。

蕎麦(そば)の実

画像は、「玄そば」という脱穀後の殻つきのそばの実です。黒い殻をつけ変形三角錘形です。丸味のあるものほど味が良く、角張ったものは香りがよいとされています。

蕎麦(そば)の栄養

そばに含まれるルチン(ポリフェノール)は、ビタミンCと一緒になって、人間の毛細血管を強化し、脳出血を予防したり、血圧を下げる効果があるのです。また、そばにはビタミンPも含まれています。ビタミンPは(血管)内皮細胞で、悪玉コレステロール等をブロックするだけでなく、傷ついた内皮細胞を修復してくれる働きもあります。そば1食分で必要量が摂れるので、日頃の食生活でも気をつけて摂るよう心掛ければ、体のためにとてもよいのです。ちなみに、ビタミンPは熱にも強いので、そばのように加熱しても大丈夫です。

そば湯

そばには、疲労回復や炎症をやわらげる働きのあるビタミンB1やビタミンB2も含まれています。しかし、これらの大半は水溶性のため、茹でている間に湯に溶け出してしまいます。
昔からそば湯を飲む習慣は、そんなそばの大切な栄養をしっかり補給する役割も担っているのです。

ねぎ

ねぎの白い部分は淡色野菜、緑の部分は緑黄色野菜で、栄養成分も大きく違います。緑の葉の部分にはかぜ予防に効果のあるビタミンAやビタミンCが含まれ、白い根の部分には、ねぎ特有の香りと辛みのもとであるアリシン(硫化アリルの一種)が多く含まれていて、ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復や体を温める効果があります。

山芋

山芋は消化のよい食品で、消化酵素アミラーゼを大根の3倍程度も含んでいます。ぬめりのもとはタンパク質とマンナンが結合したミューシンと呼ばれる成分で食物繊維と似たような働きがあります。コリン・サポニン・ムチンなどの微量栄養素も含み、昔から滋養強壮に山芋が用いられてきました。

鶏卵(たまご)

栄養価の高いことで知られている鶏卵、中でも蛋白質は理想的なアミノ酸で構成されていて 特に大豆などに少ないメチオニンが多く含まれます。メチオニンは動脈硬化の予防や増毛に効果的と言われます。 また蛋白質の代謝を助けるビタミンB2も多く含まれ 蛋白質の効率をさらに良くしています。 卵黄に含まれる「レシチン」はコレステロールを抑え 記憶力や知能を高め脳や神経の働きをよくすることに役立つ優れ物です。 卵白には卵黄よりすぐれた蛋白質が含まれています。それ以外に鶏卵には カルシウム・鉄分・ビタミンA・B1・B2・Eも豊富に含まれます。